歯ぎしり食いしばりとは
主に夜間就寝時に歯と歯を力一杯擦り合わせてしまい、不快な音や歯の摩耗・歯の破折等を起こす物が歯ぎしりす。食いしばりは擦り合わせることはほどんど無いですが、こちらもかなりの力で噛み締めてしまい歯が割れたり、起床時顎の周りの筋肉が痛む症状が出たりするのが食いしばりです。
逆にお昼間の起きている時間も歯軋りや食いしばりをしていることもあります。
歯ぎしり・食いしばりの原因は?
歯ぎしり・食いしばりをしてしまう原因は以下のものがあります
- ストレス
- 逆流性食道炎
- 胃炎
- 歯並び
- 噛み合わせ などが複雑に絡み合っていると考えられています。
こういったものを多因子疾患といいます。
歯ぎしりと逆流性食道炎の研究は鹿児島大学歯学部 矯正科の教授であられる宮脇正一先生が研究されています。
どのような治療が必要
歯ぎしり食い縛りの原因は多因子に及ぶため、「これをしたら治る!」「この薬を飲んだら改善する!」と言ったものは残念ながらありません。
ですが!!
かなり軽減させることは可能です。
就寝時の治療
就寝時の歯軋り食い縛りは①マウスピース②ボツリヌス治療で改善されます。寝ているときは絶対意識することは出来ないと思いますので、対症療法になります。
- 就寝時に使うマウスピース
- 咬筋や側頭筋にボツリヌス治療
この2つが代表的な治療法かと思います。
1のマウスピースは保険でも自費でも作成可能です。
保険のマウスピース
保険のマウスピースは数千円で作成できますが、壊れやすく、違和感が強いため、何枚も持っているという方が多いです。(制作する型取りの精度が悪いので合わなくて当然です。)1枚の層でてきている為硬い・弾力はないです。摩耗しやすく穴がよくあきます。白くなっているところは擦れているところです。違和感が強くかえってつけられない・すぐ外すという方がとても多いのであまりお勧めはしません。
自費のマウスピース
当院での推しはインビザライン・ビベラのマウスピースです。耐久性があり、変形・摩耗に強く割れにくい特性があります。何層も重ね合わせたマウスピースで歯にかなりフィットします。メーカー曰く1枚で5年くらいは持つそうです*使用方法、保管方法によって前後します。費用は1枚30000円(税別)上下3セット54000円(税別)*価格は予告なく変更されます。ご了承くださいませ。
ボツリヌス治療(ボツリヌストキシン製剤)
当院では韓国製の高品質の製剤を使用しています。ボトックスが有名ですが日本で購入できるものがボトックスビスタというものなので当院ではこちらを使用しています。(2024.8現在)
100単位40,000円(税別)適応があれば側頭筋にも使用可能。(要診察)
デメリット:効果は3〜6ヶ月で切れます。後戻りの可能性、鈍痛、内出血、筋肉の強張り、動かしにくさなどの症状が出ることがあります。
起きている時の治療
こちらは認知行動療法を行います。
- ご自身が覚醒時に歯軋りや食いしばりをしていることに気が付く
- 気がついたタイミングで歯と歯を離す
- これを繰り返していく
先ずは気が付くこと、これが最も重要です。それは今までは起きていても無意識のうちに噛み締めや歯軋りをしてしまっていたからです。気がつくことで無意識を意識下に持ってこれるので次第にコントロールできるようになります。
起きている時もマウスピースが使える方は使用して下さい。
マウスピース矯正を1000件以上診てきた実績をお伝えしています。
監修者情報
歯科医師 井沢一樹
歯科医師 看護師 ケアマネージャー
公立春日井小牧看護専門学校 卒業
国立鹿児島大学歯学部 首席卒業
名古屋大学医学部附属病院 歯科口腔外科
聖霊病院歯科口腔外科
湘南歯科クリニック 心斎橋院 名古屋院
ひめみやさくら歯科矯正歯科 開院