一説によると約7割もの方が歯軋りや食いしばりがあるとか。。
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歯軋り食いしばりによる弊害
歯軋りは歯と歯が擦れ合うために寝ている時に「ギギっ」とした摩擦音が特徴です。これの怖いところは寝ている時にしているため、力の加減が出来ず次第に歯がすり減ってしまったり、時には割れてしまったりすることです。歯軋りは音がするため一緒に寝ている方等から指摘されることがあるのですが、食いしばりは音がしないことも多々ありまあすで注意が必要です。この食いしばりもかなりの力で噛み締めていますので、麻起きた時などに、顎周囲の筋肉が痛かったり、頭痛がしたり、歯だけでなくさまざまな弊害をもたらします。
歯が減ると何が問題か?
その1 しっかり噛めないだけじゃない!
天然の歯には複雑な凹凸がついています。この凸の部分を咬頭(こうとう)と、凹みの部分を裂溝(れっこう)呼びます。歯と歯がしっかり噛めるのは、この凹凸同士がしっかり噛み合って下の顎の位置が安定するからです。仮に真っ平な歯同士は噛み合わずどこでも噛めるため位置が定まらず逆にしっかり噛めなくなります。
その2 だんだん出っ歯に!
歯が減るとその分噛み合っていた高さが次第に低くなっていきます。そうすると。。下の顎は顎関節を中心に円運動をして口を開閉しているのでより深く噛もうと前にでます。これを下顎の前方回転と言います。前に出ようとする下の歯を上の歯が食い止めようとするので前歯はどんどん前に「出っ歯」になります。最近出っ歯になって来た気がするというのは噛み合わせが問題なこともあります。(歯周病でも起こります!)
その3 顎関節症の誘因になる!?
2の続きですが下の顎が前に出ようとすると顎関節は逆に後ろに回転しようとします。これがまた問題で、顎関節の後ろにはたくさんの神経や血管があります。顎関節の前方には関節円板と言ってクッションみたいな組織があるのですが後ろにはこれがありません。つまり噛み合わせが低くなると顎関節症を発症しかねない、顎の痛みが出現する可能性もあります。
その4 姿勢が崩れさまざまな臓器に支障が!?
噛み合わせが悪くなると姿勢にも影響します。姿勢が悪くなると肩こり・頭痛や胃腸の動きなどに影響します。
歯ぎしり食いしばりの改善方法は?
歯ぎしりや食いしばりの治療に関しては何か一つこれをしたら治る!というものは残念ながらありません。
歯科でできるのは「咬む力のコントロール」です。
治療1 マウスピース(スプリント)治療
ご自身の歯形に合わせて型をとり作るものです。保険と自費のものがあります。
保険のマウスピース
- 費用を抑えて作る事ができる
- 一枚のシートなので穴が開きやすい
- 耐久性は低め
- 歯との適合は低め
自費のマウスピース
- 費用は数万程度 医院によって異なる
- マルチレイヤーのシートで穴があきにくい
- 耐久性は高い
- 歯との適合は高い
治療2 ボツリヌス治療(エラボト等と呼ばれることがあります)
咬筋あるいは側頭筋にうつ、筋肉注射です。局所的な筋弛緩作用があります。これにより食いしばる時に使用されるメインの筋肉の収縮を和らげ、歯や顎関節にかかる負荷を軽減させるのが目的です。副次的に小顔にもなります。*保険診療外治療になります。アレルギーの可能性等があります。自由診療のため医院によって費用が異なります。数万円程度が一般的です。
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監修者情報

歯科医師 井沢一樹
ひめみやさくら歯科矯正歯科 院長