インプラント

インプラントへの不安

歯を失ってしまったとき、インプラント、ブリッジ、入れ歯のどれを選べばいいか迷う方は非常に多いです。

「本当にインプラントが一番いいの?」

「高いお金を払って、すぐダメになったらどうしよう…」

そんな不安を解消するために、今回は世界中の厳しい歯科医学の論文(長期的なデータ)で証明されている「各治療の10年後の未来」を、専門用語を使わず分かりやすく解説します。

結論から言うと、最も長持ちしやすく、他の歯を守れるのは「インプラント」です。その理由をデータとともにお伝えします。

インプラント・ブリッジ・入れ歯の予後を比べてみます

治療法5年後の生存率10年後の生存率⭕️メリット
❌デメリット
インプラント約95〜98%約90〜95%⭕️周囲の歯を削る必要がなく自分の歯のように生活できる
❌高額で歯科医院によって価格は様々、破折やインプラント周囲円の可能性あり
ブリッジ約85〜92%約70〜85%⭕️着脱が必要ない、保険でも自由診療でも治療スタイルを選べる
❌繋がっているため歯磨きできないところが増える→潜在的な虫歯・歯周病リスクが上がる。破折・脱離の可能性あり
入れ歯約70〜80%約50〜60%⭕️着脱できるため衛生的、保険・自由診療を選べる
❌紛失破損の可能性あり基本的に消耗品 噛みにくさ、異物感あり
支える歯の過荷重

「生存率」の定義:歯科の論文における生存率(Survival Rate)とは、いくつかのトラブル(人工歯の欠けやパーツ交換など)があっても、「その装置(あるいはインプラント体)が脱落せず、お口の中で機能し続けている割合」を指します。

出典元

1. インプラントの予後に関する出典

インプラントの長期生存率が10年後でも90%〜96%以上を維持している根拠となる代表的な論文です。

 論文名: Long-term (10-year) dental implant survival: A systematic review and sensitivity meta-analysis

 著者: Howe MS, Keys W, Richards D.

 掲載誌: Journal of Dentistry (2019)

 概要: 現代のインプラントシステムにおける10年間の生存率を統合分析(メタアナリシス)した結果、10年生存率は 96.4%という極めて高い水準であることが証明されています。

 論文名: A systematic review of the survival and complication rates of fixed partial dentures (FPDs) after an observation period of at least 5 years

 著者: Pjetursson BE, et al.

 掲載誌: Clinical Oral Implants Research (COIR)

 概要: 国際インプラント学会等でも広く引用されるPjeturssonらの世界的レビュー。単独のインプラント冠(Single Crown)の5年生存率は 96.8%、10年でも高い安定性を示すデータとして定着しています。

2. ブリッジ(固定式冠)の予後に関する出典

ブリッジの生存率が10年で約75%〜80%前後まで低下する根拠となる論文です。

 論文名: Comparison of the survival and complication rates of tooth-supported fixed dental prostheses (FDPs) and implant-supported FDPs and single crowns FDPs

 著者: Pjetursson BE, Valente NA, et al.

 掲載誌: Clinical Oral Implants Research

 概要: 天然歯を支えにした従来のブリッジとインプラントを比較したレビュー。従来のブリッジの10年生存率は約80%を切り、技術的・生物学的合併症(支えになる歯のむし歯や破折)のリスクが経年的に高まることが示されています。

3. 部分入れ歯(可撤性義歯)の予後に関する出典

部分入れ歯の10年生存率が約50〜60%(作り替えや調整が必要になる割合が高い)である根拠となる論文です。

 論文名: Longitudinal studies of partial denture success and survival

 著者: Bergman B, et al. / Vermeulen AH, et al.

 掲載誌: Journal of Oral Rehabilitation などの長期追跡データ

 概要: 部分入れ歯(RPD: Removable Partial Dentures)を5年〜10年追跡した研究。5年時点では比較的機能しているものの、10年が経過するとバネをかけている維持歯の喪失や、義歯自体の不適合(骨が痩せるため)による作り替えが必要になり、生存率は50%台まで落ち込むことが報告されています。

インプラントが世界的にみても優位であるデータから見える3つの利点

世界中の長期臨床データから、インプラントが最も予後が良いとされる理由は大きく3つに集約されます。

1. 「周囲の歯」を巻き添えにしない

ブリッジは両隣の歯を大きく削り、本来なら3本で支えるべき力を2本で負担します。部分入れ歯もバネをかける歯に抜歯並みの負担がかかります。インプラントは単独で人工根が自立するため、「他の健康な歯の寿命を縮めない」という点が10年後の大きな差となって現れます。

2. 残存骨(あごの骨)の吸収を防ぐ

歯を失うと、刺激が伝わらなくなったあごの骨は急速に痩せていきます(骨吸収)。入れ歯はこの骨の減少を止められません。ですがインプラントは骨に直接刺激を伝えるため、あごの骨のボリュームを長期的に維持しやすいという生物学的なメリットがあります。

3. 技術の進歩による高い定着率

近年のインプラントは表面処理技術(SLA処理など)が非常に進化しており、骨との結合がより早く、強固になっています。そのため、現代のインプラント治療の5年・10年生存率は極めて高い水準で安定しています。

でもインプラントも万能ではありません

インプラントの最大の天敵は噛む力とインプラント周囲円(インプラントの歯周病)です。

インプラント歯自分の歯の様に噛むことができます。ですが自分の歯ではありません。ある研究では自分の歯で噛む力の10倍の力で噛んでやっと同じくらいの力で噛んでいると感じる様です。つまり噛めるため噛みすぎてしまうのです。

もう一つは歯周病です。自分の歯の周りには歯ぐきの中でも接合上皮と呼ばれる部分や歯根膜といった防御壁があります。しかしインプラントには当然そのようなものはありません。自覚症状のないまま進行する「インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)」を防ぐためには、治療後の定期的なメインテナンス(プロによるクリーニング)と毎日の丁寧なセルフケアがとても大切であることはご理解いただけると思います。

物理的な寿命だけではなく『QOL』も引け上げてくれる治療がインプラントです

歯を失ったとき、どの治療を選ぶかで「10年後のあなたのお口の健康状態」はガラリと変わります。

インプラントは初期費用こそかかりますが、大好きなものを何でも美味しく食べられ、人前で堂々と笑える生活を、高い確率で10年以上キープしてくれます。他の歯を守るための「投資」として考えると、決して高いものではありません。

当院では、患者さんのあごの骨の状態やご予算に合わせて、最適な治療計画をご提案しています。まずは「自分に合う方法を知りたい」というだけでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。

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院長紹介

国立鹿児島大学歯学部首席卒業

口腔外科学会・口腔インプラント学会所属

大阪インプラント研究会100時間コース修了(第27期)

ClubGPアドバンスドコース修了(第5期)

S II ベーシック・アドバンスドコース修了

医院紹介

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